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【2026年最新版】補助金バブルの終焉と「新ステージ」への対応。生き残る会社が選ぶ、本気の成長投資とは

  • 執筆者の写真: 清水謙伍
    清水謙伍
  • 16 分前
  • 読了時間: 4分

2026年、中小企業を取り巻く補助金環境は劇的な変化を遂げました。コロナ禍から続いた「補助金バブル」は完全に終焉し、単なる救済措置としての予算は姿を消しています。代わりに求められているのは、賃上げや省力化といった、明確な「成長への覚悟」です。かつての成功体験が通用しなくなった今、経営者はどう立ち回るべきなのか。累計150件以上の採択実績を持つ清水謙伍さんが、新ステージに入った補助金制度の歩き方を解説します。



補助金バブル、その後


2026年を迎え、補助金の世界は新たな局面に入りました。かつて総額1兆円を超える予算で華々しくスタートした「事業再構築補助金」は、2025年3月をもって新規受付を終了しました。採択率もピーク時の50%超から現在は30%前後まで低下しており、「出せば通る」というバブル時代は完全に過去のものとなっています。

 

今、補助金制度に何が起きているのか。そして、これからを生き抜く経営者は何を見据えるべきなのか。最新の現場からお伝えします。

 


補助金の目的は「救済」から「成長投資」へ


政府が掲げるキーワードは明確です。「賃上げ」「人手不足対策」「100億企業の創出」。以前の補助金には、コロナ禍の苦境を救う「緊急避難」的な側面がありましたが、現在の目的は「日本の未来を切り拓く企業への成長投資」へと完全にシフトしています 。

 

その象徴として、現在、以下のような要件が非常に厳格化されています。

 

・高い成長性の証明(付加価値額の増加):新たに創設された「新事業進出補助金」では、補助事業終了後の3〜5年で、付加価値額の年平均成長率を3〜5%以上増加させることが求められます。

・賃上げ要件の必達:同じく「新事業進出補助金」の特例などでは、事業所内最低賃金を年額で引き上げること(平均時給+50円など)が条件となっており、これを満たせなければ採択はきわめて困難です 。

 

「赤字だから助けてほしい」という場当たり的な発想では、もはや1円の補助金も得られない時代になったと言えます 。

 


「口頭審査」の導入:丸投げ経営への引導


2026年現在、多くの主要補助金で「口頭審査」が導入されています。これは、経営者自身が審査員と対面し、事業計画の本質や実現可能性を直接問われるものです。

 

この背景には、コンサルタントに内容を丸投げし、経営者本人が中身を理解していない申請書が乱立したことへの対策があります。

 

・自分の言葉で事業の強みを語れない。

・収益性の根拠について数字で答えられない。

・コンサルタントに任せきりで内容を把握していない。

 

こうしたケースは、審査の段階で即座に見抜かれ、不採択となります 。

 


監視の厳格化:不正受給への容赦ない追及


2024年に発覚したIT導入補助金の不正受給事件を受け、会計検査院の調査と事務局の監視はかつてないほど厳しくなっています。

 

もし不正が発覚すれば、以下のような重いペナルティが課されます。

 

・補助金の全額返還と、年利10.95%の加算金の請求。

・不正を行った事業者名の公表。

・悪質な場合は刑事罰(詐欺罪)への発展。

 

「これくらいならバレないだろう」という安易な考えが、会社を物理的に崩壊させる時代であることを忘れてはいけません。

 


真っ当な事業者にとっては「追い風」に


厳しい現実をお伝えしましたが、私は決して補助金活用を否定しているわけではありません。むしろ、自社の足で立ち、本気で成長を目指す経営者にとっては、今は「追い風」の時代です。なぜなら、不適切な手法で利益を得ようとする業者が淘汰され、本当に価値ある事業計画が正当に評価される仕組みが整ったからです。

 

これから補助金を活用しようとするなら、以下の3点を徹底してください。

 

・中長期のビジョンを自ら言語化する:補助金ありきではなく、5年後、10年後の自社がどうあるべきか、そのための投資であることを自分の言葉で整理する。

・「ブレーキ役」の伴走者を選ぶ:甘い言葉で誘うブローカーではなく、財務状況を見て「今はやめるべきだ」と厳しい意見をくれるパートナーを見つける。

・撤退ラインを決めておく:つねに「最悪の事態」を想定し、万が一のときに会社と従業員を守るためのセーフティネットを用意する。

 

補助金の申請プロセスは、経営者にとって自社の「本質」を見つめ直す最高の機会になります。自著『補助金で沈む会社×伸びる会社』では、2026年の新制度にどう対応し、補助金を事業拡大の「加速装置」へと変えていくのか、という点からも解説しています。ぜひご覧ください。


 


【この記事を書いた人】

清水謙伍(しみず・けんご)さん

清水ビジネスパートナー株式会社 代表 

香川県高松市生まれ。東京理科大学理工学部卒業後、香川県の建設機械メーカーに入社。生産管理業務に従事する。2014年、中小企業診断士資格取得。2017年より東京のコンサルティングファームで事業再生や資金調達などのコンサルティング実務の経験を積み、2021年に独立。補助金を活用した事業成長スキームの構築には定評があり、大型投資など経営的に重大な局面における意思決定の支援を得意としている。

著書に『補助金で沈む会社×伸びる会社』(白夜書房)がある。

 
 
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