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執筆者の写真Byakuya Biz Books

人種差別って? 自閉症って? セサミストリートのみんなに聞いてみた



セサミストリートと考える「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」。後編では、実際にセサミストリートのみんなに素朴な疑問をぶつけてみた。50年以上、さまざまな問題に取り組んできたセサミストリートの声に耳を傾けてみよう。きっとあなたの理解が進むヒントが見つかるはずだ。



人種差別について


――人種差別って何ですか?


人種差別は、肌の色や髪質、目や口や鼻のかたち、話し方や言葉、出身などにより、相手を差別したり傷つけたりすることです。それは不公平であり、間違っています。


――人種差別を受けている人がいたらどうしたらいい?


不公平で間違っていると思うことを目にしたときには、まずは一度深呼吸をして落ち着きましょう。そして自分で対処できると思うか、大人の助けが必要かどうかを考えます。状況を見なかったことにするのではなく、自分にできる方法で声をあげたり、行動することが大切です。


人種や所属、文化によって不当に扱われたり、傷つけられたりしたとき、自分自身や友だちを手助けするためにやさしさや行動をとる人を「アップスタンダー」と言います。「アップスタンダー」は、いつも、誰に対しても親切に、公平に、そして敬意をもって接します。


――なぜ感情の話をするの?


言葉には力があり、信頼できる大人と話すことで、自分自身のために、そして他者との関係において、何をすべきか/何を言うべきかといった健全な判断力を培うことができるようになります。


――人種について、大人は子どもの年齢に応じてどのように話し、子どもの不安や恐怖を取り除いてあげることができますか?


まずは、シンプルで正直な会話をしましょう。


・肌の色について話す

「私たちの体には『メラニン』という、体を色付ける色素があり、メラニンの多い人の方が濃い色の肌をしているんだよ」といった、肌や体についての話をする。


・不公平な行動について話す

「肌の色や人種によって不公平な扱いを受けることを『人種差別』と言って、人を傷つける行動である」ことを伝える。


・より良い社会のために、子供たちの楽観的な視点に寄り添って話をする

「誰もが自分の外見と内面どちらにも誇りを持つべきで、他者が自分をどのように扱おうが、あなたがあなたであることは変わらない」と伝える。


・踏み込んだ質問をする

子どもが人種について疑問を持ったとき、どうしてそう思うのか尋ねる。


そして、子どもたちのすべての質問を受け入れてください。幼い子どもたちは、自分の周りや住んでいる世界を学ぶとき、特にたくさんの質問を抱きます。その好奇心を尊重し、自由な質問を促しながら正直に対話することが大切です。


また、子どもが気まずそうに質問をしたり、答えることを躊躇するような質問をした場合にも、決して黙らせたり、一方手に否定したりせず、事実に基づく答えを、わかりやすく伝えてください。


身体的な違いとその理由について話すことも大切です。「あの人の肌は黒い」など、子どもが誰かの身体的な違いを認識したときは、「そんなことを言わない」と黙殺するのではなく、その理由を説明しましょう。セサミストリートでも、そういった会話を助けるエピソードを公開しています。5歳の男の子・ウェスとその父親・イライジャの肌の色について、エルモが好奇心旺盛に、なぜ茶色なのかを知りたがるストーリーです。イライジャは、メラニンについて、そして肌の色は私たちのアイデンティティーにとても大切であることを話しました。


もし、子どもが自分と他者との違いについて質問したときには、その質問に答えることに加えて、違いを祝福するようにしましょう。「私たちはみんな違って、みんな特別である」といった簡単な言葉でも良いです。



自閉症について


――自閉症の子どもをはじめ、子どもたちが変化を乗り切るためには?


すべての子どもたちにとって習慣があるのはとても大切なことです。見通しを立てることができ、次に起こることのための準備ができます。自閉症の子どもたちにとっては、その習慣が特に大切です。何が起こるのかを知っておくことで、安心して、穏やかに過ごすことができます。


一方で、外出や新しい人と会う、新しい場所へ行く、これまでと違った順番で物事を行うなどの小さな生活の変化や、新型コロナウイルスの流行により両親がずっと家から働くようになったなどの大きな生活の変化は、子どもたちにとって大きな影響を与えます。


大小に関わらず、変化にうまく対応するために以下のような方法があります。表など視覚的に理解できる方法で新しい習慣や変化を示しましょう。目で見ることができるスケジュール表は子どもが家や学校で1日の準備をしたり、今日は何が起きるのかを把握したりするためにとても効果的です。


外出の際には特に事前準備をしましょう。子どもにはできるだけ早い段階で外出することを伝え、どこで何をするのか、そこで何が起こるのかを伝えるのが大切です。可能であれば、写真などで行き先を見せたり、到着してやることを説明すると良いでしょう。また、外出に関する情報は、出発前、いく途中、到着したとき、など、できるだけくり返し伝えましょう。スーツケース→車→外出先→食べ物→自宅、など、物事が起きる順番にその写真などを見せ、準備を手伝うことも良いです。


【前編はこちら

 

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